top of page

NRF3による新たな脂質代謝リプログラミング

名称未設定.jpg

 コレステロールや脂肪酸などの脂質は脂溶性ホルモンや細胞膜の原料に使われる非常に重要な物質であり、その代謝異常は肥満や糖尿病、動脈硬化、さらには癌の発症・進展にも関連することが知られています。私たちはNRF3が新たな脂質代謝の調節メカニズムを制御していることを発見しました。具体的にはNRF3がコレステロール合成においてカギとなる転写因子SREBP2と協調的にメバロン酸・コレステロール生合成の律速酵素であるHMGCRの転写を協調的に誘導していることを見出しました。しかし予想外にもNRF3はコレステロール生合成を誘導せず、ゲラニルゲラニル二リン酸(GGPP)という物質を産生する方向へと代謝をリプログラムしている可能性を見出しました。ここで、細胞内のコレステロール量を一定に保つために、NRF3はマクロピノサイトーシスと呼ばれる基質非特異的なエンドサイトーシスを誘導し、細胞外からコレステロールを取りこみ補っていることも明らかにしました。

Waku T. et al. (2021) NRF3 up-regulates gene expression in SREBP2-dependent mevalonate pathway with cholesterol uptake and lipogenesis inhibition. iScience. 24, 103180.

© 2013 by Genetic Code Lab. All rights reserved.  

bottom of page